「センパイ?」
彼女は声を掛けながら部室の扉を開けた。西日に照らされた六畳ばかりの部室には、会議テーブルといくつかの椅子があるだけで、人の姿は無かったが、テーブルの上にメモを見つけ、手に取った。
「塩は良く振れ… 7121 5007 7403 2537 0342 1671 0848 8204 0731 0425 8207 8011 1941 5531 1881 2030 3102 すじふみ…え…なにこれ」
センパイは、ときどき良くわからないことをする。そうしたことに慣れている彼女は、すぐに思い当たった。すじふみというのは、センパイから入れておくようにと言われたアプリだ。入れたものの、使い道がわからずに放置していた。
「確か文章を数字に変えるって書いてあったから、この数字は文章なのね。すじふみを使えば読めるってことかな」
彼女はiPhoneを取り出してすじふみを起動した。
「えっと、数字から文章にしたいから、ナンバートゥひらがなをタップして…数字を入力と」
彼女は入力を続けた。
「ソルト?ソルト…あ、塩か。塩は良く振れ。これね。塩は良く振れ…語呂合わせかな…しおはよくふれ…408492あ、画面がかわった!」
こうして無事にセンパイからのメッセージを受け取った。
メッセージを読んだ彼女は、少しだけ考えていたが、立ち上がって時計を見てから言った。
「あたし、行かなくちゃ!」
--
ひらがなの文章を全て数字へ変換します。
この文章が
「こんにちは、すじふみくんです。」
↓
こうなります
「4391 3810 4122 1739 1348 2832
0841 5513 7220 3102」